世界最高レベルのGKコーチの育成力

Jul 03, 2019

  

●GKコーチジョアンのすごさを語りたい。

 

 僕がもっとも影響を受けたGKコーチであるジョアン・ミレッ。

僕は「この人のGK理論は世間をひっくり返すだけの力がある」と思っていました。彼の素晴らしいところは有名になりたいわけでも、自分の理論をみんなに広めたいわけでもないということ。ましてやそれでお金を儲けたいなんて全く考えていない。

とにかく「上手くなりたい!」と思っているGKの手助けをしたいとだけ考えている本当の意味でのプロフェッショナルです。

何かの形に残したい。彼の理論やトレーニング方法はまさに「無形の財産」だと思います。それを伝承していきたいと思いました。

これまでに何度も何度も同じ講義を受け、理論は分かっていましたが、日本で彼の通訳をやらせてもらう中で、更にその理解が深まっていることを感じています。

もし、このまま彼が現場から離れてしまったら「完璧な技術」を追い求める人がいなくなってしまう。僕は「ジョアンの理論を継承し、それをさらに発展させられる日本人GKコーチ」が増えることを願っています。

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●グローバルトレーニングは必要か?

  

最近はグローバルな練習というのが主流になっていますが、ことGKに関して彼は最初からその方法で行うことを否定しています。

グローバルな練習とは例えば、クロスをキャッチして、味方選手にスローを投げ、その後サポートに行き、バックパスを受ける。パスをコントロールして逆サイドまで展開というように試合と同じような流れで行うものを指します。

サッカーを切り離すことなく全体として捉えることがスタートだと思います。しかし、GKについては違う考えがあるんです(今これを書きながらフィールドプレーヤーにもジョアンの理論が当てはまることがあるのでは?と思い始めています)。

 

まるで空手の型のように、GKにも順序どおり進んでいかなければいけない型があり、一つ一つ完成させないと次には進めないと。

つまり、先ほど例に出したグローバルトレーニングで、まず最初のキャッチがきちんとできなければ、次にいけないということです。だから彼はグローバルトレーニングを否定しています。付け加えるならば全ての技術アクションをマスターしてからでないとグローバルトレーニングを行ってはいけないからです。

しかも、その技術を習得するのにも「正しい順番」があります。

  

●完璧な技術を教えるには

 

GKはから始まり(理解、考え)、(ハート、メンタル、モチベーションなど)に行って、最後に(フィジカル、技術)にいくのです。

GKというと厳しい練習に耐え抜いてこそ強くなれるというイメージを持っていましたが、「なぜそうなのか?」を頭で理解してから、実際に行動に移すのです。

 

●GKがもっとも自信がないプレーは?

 

GKのプレーで失点に直結しやすく、そして最もみんなが苦手なプレーとは何でしょうか?

そう、それは「ハイボールの処理」です。飛び出していって触れなかったり、勇気を持って飛び出せなかったり、目測を誤ったり、空間認知が弱かったりという理由で失点する場面は多くありませんか?そんな時にどんな声をかけていますか?

 

僕は正直GKに「ちゃんとキャッチしろ」としか言えなかったです。皆さんはどうでしょうか?

では、皆さんは「ちゃんとキャッチする」のちゃんとしたやり方を選手に伝えることが出来ますでしょうか?

ハイボールをキャッチできるようになるためにどんな練習をされていますか?

とにかくクロスを上げて「ボールをよく見て、食らいつけ」と言っていませんでしょうか?

 

何でもかんでも飛び出していくことはつまり偶然の連続です。時々取れるし、時々取れない。つまり「なぜキャッチできないのか?」理由がない状態です。こんな不確かな状態でどうやって自信を持ってプレーするのでしょう?

安定感は自信であり、それはどこから来るかというとぶれない技術なんです。技術とは正しい動作を行うことであり、それが最も無駄がなく、効果的な動きなのです。

でも、正しい動作を本当に教えられる人は多くいるのでしょうか?

 

どうやって行えばよいのか知らない状態だからこそ、ハイボールに飛び出す勇気が持てず、仮に勇気を持って飛び出したとしてもそれは一か八かであり、ミスをしてしまったら怖くて次のプレーで飛び出していくことを躊躇するわけです。

 

ハイボールに必要なアクションを更に細かく分けて、一つ一つ頭で理解しながら、体で覚えていきます。

 

1、 手の置き方、出し方

ボールをつかまない。つかもうとするから余分に力が入り、ボールをこぼしてしまう。どのように手を出すか、手にボールが入ってくるイメージ。指先に力を入れてボールの形にしておく。

 

2、 キャッチした後のボールのブロックの仕方

なんでもいいではない。一つの正しい動作がある。

 

3、 なぜハイボールが苦手なGKが多いのか?

飛び出す術を知らないため、不安や恐怖に感じる。まずはその怖さを取り除いていくことから。では、どうやって?ここで魔法のテープ登場!

 

4、 コーナーキックは遠い?近い?

コーナーキックが蹴られる場所からゴールは近いと感じるか?遠いと感じるか?実際の距離を測定してみると・・・

 

5、 コーナーキックの際のスタートポジション(立ち位置)

人によって変わるのではなく、ここという場所が指定されている。

 

6、 立っている時の姿勢、構え

 

7、 ボールが蹴られるまで絶対に動かない

相手のFWの動きや周りの選手に捉われたり、つられるGKは蹴られる前から無駄に動く。前への一歩と後ろへの2歩は同じ距離であり、1歩動く毎にボールは20m近く移動する。つまり、蹴られる前に動き、ポジションを修正している間にもボールは移動しており、結果自分の立っている位置は変わらなくてもボールは移動しているので、間に合わなかったり、先に相手に触られてしまう。多くのGKは不安から先に動いてしまうので、その不安を取り除く。

 

8、 ボールが蹴られてから動くということはボールに対して寸分の狂いもなく、正しい動作で素早く移動する必要がある。

 

9、 正しい歩き方を知る

誰か正しく歩くことを教えてもらったことがある人はいますか?もし、今の自分の歩き方が間違っていたら・・・?

 

10、  ボールの落下点によって一歩目がどちらの足になるかを知る

    基本はボールがあるところから遠い足が一歩に。

 

11、  無理に歩幅をあわせようとしない

    まずは正しく素早く落下点に到達することが目的

 

12、  ボールが飛んでくる時間の感覚をつかむ

    蹴られてどのくらいのスピード、時間で、どのように飛んでくるかを見る。その時にはスタートポジションに立って動くことなく、ボールを見る

 

13、  次のステップはボールを見るが、落下点によって最初の一歩だけ足を動かす

 

14、  コーチがGKを誘導する。

    F1ドライバーもいきなり自分で運転したのではなく、誰かに運転の仕方を教わった。GKも同じで、いきなり一人でやらせるのではなく、GKが横にぴったりとついて体を抑える。子供たちはボールを触らなければいけないという思いから、蹴られる前にどうしても動いてしまう傾向にある。それも不安からきている。その不安を取り消すためにもボールが蹴られて「ここだ」というタイミングで動くように手を離す。 

15、  これまでのプロセスが全て理解でき、体でも実践できるようになったら、いよいよ一人でハイボールをキャッチしに行く。ここで重要なのは焦ることなく一つ 一つ完成させること。万が一ここでまた上手くいかなかった場合、上手くいっていない部分(ステップならステップのところまで)まで掘り下げ、もう一度確認する。

 

簡単にですが上記のプロセスを通ります。よって、ドンドンボールを蹴ってとにかくキャッチしろではなく、「なぜそうなのか?」を理解し、実践。実践して「今のは何が良くなかったのか?」をまた考えさせる。時間はかかりますが、体を酷使しているわけではないので、疲れることはありません(頭は疲れるかもしれませんが)。

そして知らなかったことを学んでいくことで、楽しいと感じますし、知っていくことで上手くなっていることが実感できるので、よりテンションも上がります。よってジョアンの話をもっと聞くようになります。

 

正しいキャッチの仕方を知っていると多くのGKが思っているでしょう。「自分はそんなこと知っているんだから、もっとすごいことを教えて欲しい」と。でも、彼からすると実はほとんどのGKが正しい動作を教えてもらったことがなく、自分の感覚で行っているわけです。それはある現役プロ選手と一緒に練習した時にも実感しました。

というのもプロ選手に指導するときも子供たちに対して指導するときもアプローチの仕方は全く同じだったからです。

 

彼の中でこの理論はまさに数学の証明のようにプロセスがあり、そのプロセスを一つ一つやっていかないとハイボールの処理という一つのアクションに結びつけることができないと考えているのです。

 

いきなりクロスを蹴って、それをキャッチしろではないのです。そう、一つ一つの正しい技術を知らないのにキャッチできるはずがありません。それでキャッチできないのは選手が悪いのではなく、教えている側の僕らコーチの責任であり、問題なのです。

 

GKのアクションはもちろんハイボールだけではありません。でも、ハイボールという一つのアクションについてここまで細かく分析し、30年以上も研究しているのです。そしてそれが1対1の対応から、ポジショニングの概念、パンチングについて、セカンドアクション(ミスが出た後の修正の仕方)とたくさんあるのです。その一つ一つを全て煮詰めで分析、研究し、問題解決方法を知っているジョアン。皆さんどうでしょう?彼の話を聞いてみたいと思いませんか?もし、少しでもそう思われたのなら、是非会いに来て頂ければ幸いです。

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●まとめ

  

○技術には正しい方法、正しい順番がある

○体系化したものを突き詰めていくのに日本人は気質的に向いている

○アプローチの順番は頭→心→体

○ハイボールに強くなるには手順がある

 

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